雨の日や、雨上がりに着物をお召しになるとき、心配なのが泥水を跳ね上げシミになる泥バネです。特に履物で後ろに跳ね上げるため、大抵は後ろ身頃の裾から帯下にかけて付着が見られます。
上の画像はその様に後ろ身頃に付着した泥バネのシミの一部になります。
シミ抜きはまず、油溶成分落としから始め洗剤で汚れを生地から浮かした上で、洗浄して行きます。不溶性な煤の様な粒子の細かいものが残ると手間が掛かりますが、今回はスッキリ落とすことができました。
泥バネは一昔前では、未舗装の道が多く砂地を含むハネが上り、乾いてない状態でこすると砂の形状が鋭く生地を痛めるのですが、乾いてからだとはたくだけで物理的にに案外落とせたようですが、現状アスファルトで舗装された道には、水溶性・油性・不溶性の混在したシミになるため、家庭で中途半端に処置すると、生地目の奥に汚れを浸透させてしまい、落とし難い事になるので、ハネが上がったときはハンカチなど乾いた布で押さえて、水分を吸着させる程度にされることが応急措置だと思います。