この画像は長年お手入れされず、着用されていたお着物です。袖口の八掛部分に皮脂汚れが付いて黒ずみ、汗により変色しています。
しみ抜きの手順としては、まず油性の皮脂汚れを 有機溶剤で落とした後、水溶性の汗の成分を落とします。残った黄変を漂白したら、最後に色補正をして完了です。
今回はわからなく直せましたが、袖口は着用を重ねるとスレ(毛羽立ち)もできますし、汗で変色することで生地が弱くなってくるため、しみ落としができない状況もあります。その場合は袖口の八掛を切り替えて(部分仕立て直し)しまう方法もあります。※ぼかし染めの八掛は不可
汗による変色は、汗抜きをしていないと数年してから現れます。丸洗いをして汚れが落ちていても 水溶性である汗は落とせないので、シーズンオフにしばらく着用する予定がないときには、汗抜きをしてもらえるかを確認してから、専門店でお手入れすることをオススメします。